小豆島発酵の学へ!校長の原有紀です♪
その弐は、小豆島の醤油文化についてです。
小豆島の醤油文化について、引き続き、ヤマロク醤油5代目山本康之氏にお聞きしました。
小豆島の醤油の起源は約400年前だそうで、小豆島へ来島した大阪城築城の採石部隊が、紀州湯浅の醤油を調味料として持ち込んだのがはじまりだそうです。
小豆島には、塩田よりとれる良質な塩、麹の発酵に適した温暖な気候、海運の利便性が良く立地に恵まれたことなど、醤油づくりに適した環境であったことで醤油文化の発展を遂げてきました。明治時代には最盛期を迎えて400件もの醤油蔵があったそうです。しかし年々減少し、今では約20軒ほどになってしまったとのこと。
香川県の醤油の生産量は全国で5位。そのうち半数以上が小豆島産の醤油だそうです。
その壱でもふれましたが、全国に残っている醤油の木桶は約2000本でそのうち約1000本ほどが小豆島にあります。小豆島では、木桶による醤油づくりが400年以上続いていることになりますね。
木桶は乳酸菌や酵母菌などの微生物が生きるのに最適な環境!これらの微生物は、醤油などの発酵調味料のおいしさを生み出します。ちなみに、桶仕込み醤油の流通量は全体の1%ほど。すごい希少価値の高い醤油なのです。
ヤマロク醤油のもろみ樽は、三十二石(約6000リットル)の大杉樽を使っていて、一つ一つが手作り。
直径約2m30cm、高さ約2mの大杉樽が40樽。3分の2から半分の大きさの樽が34樽あるそうです。使い始めてから既に150年以上だそうです!驚き。ヤマロク醤油のもろみ蔵は100年以上前(明治初期)に建てられた蔵で、国の登録有形文化財に指定されています。木造平屋で床は土間、壁は土壁。実は樽以上に、梁や土壁、土間の中に、百種類という酵母菌や乳酸菌たちが暮らしているとのこと。つまり菌たちが生き続けて居るまさしく生きてる蔵なのです。
夏になるとポコッポコッっと生きてる蔵の音が聞こえるそうです。聞いてみたい!
6年~150年の樽で醤油を醸しているそうですが、樽のエースは150年の樽だそうです。これは数値にも出でいるというからこれまた驚き!発酵微生物の力のすごさを感じることができる素晴らしい蔵でした!
「蔵に住み着く微生物の力は本当にすごい。それは科学が進んだ現在でも解明することは難しいと思いますよ」と山本氏。共感しすぎて、首が折れるほど、うん!うん!と。日本の伝統発酵文化継承の大切さを痛感しました。