山恵錦プロジェクトに参画しました

加工品の原料を地元農産物にシフトして新たな価値を持った地域ブランドへ

上田の米と水で醸した日本酒。これが本当の地酒。

2017年に長野県の認定品種に採用された酒造好適米「山恵錦(さんけいにしき)」を生産する上田地域の米農家と、上田の地で醸造を行う5つの酒蔵が手を結んでスタートすることになった6次産業化プロジェクト。
信州上田の土と水で丹精込めて育てられた酒米と、上田の地を流れる上質な水を使用して醸される、作る場所だけでなく原料も地元のものを利用した本当の意味での“地酒”を、上田地域のブランドとして多くの人に楽しんでもらうための酒造りがスタートしました。

切磋琢磨の会

新たな挑戦を共有する“切磋琢磨の会”
2015年に信州上田五蔵の若手が結成した勉強会。
日本酒の醸造技術の向上により蔵元単位でのブランドの差別化が難しくなってきた時代。首都圏などの商圏にて「上田の地酒」という地域をテーマにしたブランディングによって、販路を広げるための連携。定期的に各蔵に集まり、利き酒や情報交換を行うなど、若手の強みを活かし、時代に合わせた商品開発や販路開拓をスタート。
地域と連携したイベント活動などで、上田の地酒のPRなども行っているなかで、山恵錦というターニングポイントと出会うことになりました。

【切磋琢磨の会】

信州銘醸(杜氏:工藤有道)/沓掛酒造(杜氏:沓掛浩之)/若林醸造(杜氏:若林真実)/和田龍酒造(社長:和田澄夫)/岡崎酒造(社長:岡崎謙一)

約四半世紀ぶりに生まれた長野県の酒造好適米

1994年に認定された「ひとごごち」から約四半世紀。2017年に新たな酒造好適米として「信交酒545号(山恵錦)」が採用されました。
この山恵錦は、長野県(農業試験場)が長年の歳月をかけ開発した酒造好適米(酒米)。生産者にとっては長野県の気候で育てやすい品種、酒蔵にとっては美味しい日本酒が仕込めるお米、という両者の意向を踏まえて、研究を重ねて完成したものです。
上田では、武石地域にて米の生産に力を入れている「柿嶌農園(代表・柿嶌洋一)」が試験栽培の頃から山恵錦の生産に取り組んでおり、発表後も品質の高いお米を育てていました。
そんな生産者と、そのお米を原料とした商品開発を行う地元の若手の蔵人たちが出会い、新たな挑戦をスタートしました。

農家と蔵人の出会いと想いの共有

上田の大地に育まれた新たな酒造好適米で、上田の地酒を造る。
日本酒と向き合う蔵人たちが、全く新しい原料を使っての酒造りに挑戦することになりましたが、圧倒的に情報が少ないため、試行錯誤を繰り返すことになった酒造り。
2018年の「全国新酒鑑評会」において山恵錦で醸した『松尾(高橋助作酒造店:上水内郡信濃町)』が金賞を受賞するなど、そのポテンシャルの高さは実証済だったので、可能性を秘めた新たな原料である山恵錦をどう扱うか、蔵元同士が情報交換しながら、生産者である農家とも専門的な話をする席を持ちながら、新しい地酒を生み出すために挑戦する日々が続きました。

上田産の山恵錦で醸された”地酒”

2019年(令和元年)の春、山恵錦を使った初めての地酒が、各蔵元から発売されました。
同じ材料で仕込んでも、蔵元ごとに全く同じものは出来ないのが日本酒の面白さであり、こだわりの味わいを表現するところが杜氏の腕の見せ所でもありますが、初めての山恵錦を使った地酒の出来栄えは、各蔵元どこも上々の出来だったようです。
県内でも地域単位で足並みをそろえて山恵錦の酒造りに取り組んだケースは少なかったこともあり、上田の山恵錦プロジェクトは様々なメディアにも取り上げられ、初年度に発売した商品はあっという間に売り切れる人気ぶりとなりました。

2020年の春、2度目の発売に向けて仕込みを行う5蔵。新たな上田ブランドとしての可能性が期待される商品です。
上田商工会議所としても、この日本酒による6次産業化の継続的な実現を目指して、プロモーションや地域との円滑な連携の支援を行うため、上田ブランドプロモーション事業のひとつとして参画しています。

山恵錦プロジェクト

https://www.sankeinishiki-project.com/

上田市内に存在する酒蔵のうち、世代交代によって様々な挑戦をしている5蔵で結成している「切磋琢磨の会」による、地元での6次産業化を目指した商品ブランドを展開する取り組み。

2017年に長野県に認定品種として採用された酒造好適米「山恵錦(さんけいにしき)」を育てている上田の農家との連携によって始まったプロジェクト。

1994年(平成6年)に採用された「ひとごごち」以来、23年ぶりに長野県に誕生した新しい酒米を活用して、「地元の米で醸す本当の地酒」の商品開発をスタートしました。